初めて発足する芸術鑑賞同好会は「ピカソ展」と「宇和島伊達家の名宝展」を選びました。東北支部の同好会活動はアルコールの入るイベントには数多くの参加者がありますが、その他の同好会は10名前後の参加者となっております。ヤマハで音楽という文化に携わってきた我々としては東北支部にも文化の香りのある同好会をという狙いで立上げました。美術、音楽、演劇、寄席等の芸術文化に触れる機会を持とうということで、今回は世界的な巨匠ピカソの素顔を鑑賞し、又仙台にゆかりのある伊達政宗に関連した歴史を勉強いたしました。 |
「ピカソ展」は世界有数のピカソコレクションを所有するドイツケルン市のルートヴィヒ美術館からの出展で同館の所蔵品中心に油彩や版画、彫刻、陶芸などの多彩な作品とピカソを映した写真を鑑賞いたしました。特に看板作品は新古典主義の代表作の一つで
≪手を組んだアルルカン≫ です。社会的に地位が低かった職業を描き又この時期は「青の時代」と称され貧困層を多く描いており社会的な弱者や恵まれない人達の悲しみに対する共感が得られるものでした。 |
「宇和島伊達家の名宝展」は伊達藩初代藩主・伊達政宗の長男・秀宗からはじまる宇和島伊達家に伝来する貴重な文化財の見学でした。秀宗は幼名を兵五郎といい、慶長元年に豊臣秀吉より「秀」の一字をもらい秀宗と名乗り、その後徳川家に仕え徳川秀忠より伊予国宇和島10万石を与えられました。
両伊達家は江戸時代を通して養子縁組や婚姻を結び藩政面でも深く関係していました。今回の特別展は仙台藩と宇和島藩との歴史的なつながりを軸に宇和島伊達家の名宝を一堂に会しての展示でした。 |
午前中2時間はピカソの絵を鑑賞し、美術館テラスで秋の日差しを浴びながら昼食をとり、その後青葉城(仙台城)のすぐ下に位置する仙台市博物館を目指しました。途中青葉城隅櫓の前で記念撮影し、紅葉の残る歩道を歩いて深まりゆく秋を存分に感じてまいりました。
博物館では仙台伊達家地元の市民としてそれなりの知識・見識の下に宇和島藩との関係などをひも解きながら名宝の見学を行いました。朝10時から午後3時まで参加者全員が二つの会場を見て回り、たっぷりと芸術に浸った一日でした。 |
(蛇足)仙台市博物館には伊達政宗とともに仙台で名高い「支倉六衛門常長」の資料が多く展示されております。支倉常長は伊達正宗の命を受けて今から400年前の江戸時代の初め(1613年)太平洋と大西洋を渡りメキシコ経由でスぺイン、ローマに「慶長遣欧使節」として向かいました。華々しい渡航とは裏腹に帰国してみれば日本はキリスト教弾圧の時代であり、向こうで洗礼を受けた常長は暖かく迎えられる事はなかったという「光と影」の部分も見て参りました。
因みに「四季折々探勝会」同好会 秋のイベントは宮城県石巻市にある慶長遣欧使節船サンファンバウティスタ号の見学を予定しております。(11月20日予定)
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三浦 正光(記)
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紅葉の残る青葉城(仙台城)前 後ろは支倉常長像
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青葉城(仙台城)伊達政宗騎馬像
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青葉城(仙台城)隅櫓
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青葉城(仙台城)隅櫓前にて |
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